【指導員の試験対策】スキーの歴史Part2<近代スキーの発展>

zuka

こんにちは。
zuka(@beginaid)です。

いまやカービングターンが主流になっているスキーですが,歴史はとても古く伝統的なスポーツです。「歴史」と聞くと,なんだか勉強のような印象を受けるかもしれませんが,どのような経緯でスキーのスタイルが形成されたかを知ることは,現在のスキーを理解するうえで必須の知識になってきます。

さらに,指導員の取得を目指す皆さんであれば理論の勉強もしなくてはなりません。そこで,スキー教程を参考にしながらスキーの歴史をまとめていきたいと思います。本記事はPart2(近代スキーの発展)になります。全体のまとめは,以下の記事をご覧ください。

デモデーモ博士

Part1ではスキーの起源について話したんじゃが,今回は現代のスキーへの橋掛けとなった近代スキーについて話すぞい!

パンサーくん

歴史は苦手だけど,なんだか楽しく思えてきた!

目次

スポーツとしての確立

スカンジナビア地方のスキーの神様ウルや,間宮林蔵によるストーを履く樺太原住民(Part1のページへ)に見られるように,従来スキーは冬期の移動手段や狩猟用具として使われていました。ところが,1870年頃にノルウェーのスキー部隊がスキー訓練の成果を競い始めたことをきっかけに,北欧を中心にしてスキーが「スポーツ化」しました。

1877年には,クリスチャニア(現在のオスロ)でスキークラブが発足し,1879年にはハスビーの丘でジャンプ大会が開催されました。

1880年にはスキー学校が設立され,さらに1883年にはスキー連盟が設立されるなどして,ノルウェーを中心に近代スキーが発展していきます。そして,1888年にフリチョフ・ナンセンがスキーを用いてグリーンランドを横断することで,世界の人々の関心は一気にスキーに向くことになります。

1879年のジャンプ大会で注目されたテレマーク地方出身の少年たちの技法のことを「テレマーク技術」と呼びます。

アルペンスキーの登場

ナンセンに刺激を受けたマチアス・ツダルスキーは,1896年に一本杖の「山岳スキー滑降術」を発表しました。ところが,ツダルスキ―の技術はクリスチャニアの技術とは異なるモノであったため,ツダルスキ―派(オーストリア)とクリスチャニア派(ノルウェー)で論争が起きます。しかし,これらの論争はゲオルク・ビルゲリーが両者の長所を取り入れた二枚杖のシュテムによる技術を発表し,スキーの革命児ハンネス・シュナイダーのアールベルク技術へと引き継がれることによって収束していきます。

シュナイダーは,アーノルドファンク博士と共に映画「スキーの驚異」を完成させたことでも有名です。

競技スキーとしての発展

こうしてスキーがスポーツとして世間に知れ渡ったため,1924年にはフランスのシャモニーにおいて第1回大会が行われました。この大会中に「FIS(世界スキー連盟)」が発足し,翌年1925年に「SAJ(全日本スキー連盟)」が創設されました。

1936年には,ドイツのガルミッシュ・パルテンキルヘンで行われた第4回冬季オリンピックでアルペン種目が正式種目となりました。その翌年,1937年には全日本スキー大会でもアルペンが正式種目として採用されています。

技術の革新

世界と日本におけるスキー技術理論の変化

シュナイダーによって提唱されたアールベルグスキー術ですが,アルペン種目の台頭に伴って高速には不向きであると人々は感じていました。そんな中,アントン・ゼーロスはシュテムを用いずに立ち上がり抜重とローテンションを回転原動力とする「テンポ・パラレルシュブンク」を完成させました。この発表に影響を受けたエミーレ・アレは「スキー・フランセ」を発表しています。

世界は第二次世界大戦へと進んでいき,スキーの発展も一時ストップしてしまいます。

日本の近代スキー

日本の近代スキーの始まりは,1911年にテオドール・エドレル・フォン・レルヒ少佐が豪雪地である高田の師団に着任したことがきっかけになります。レルヒ少佐は,1月12日に師団命令に従って,軍人に対して日本で初めてスキー術の講習を行いました。レルヒ少佐は翌年に昇任すると同時に北海道に着任し,そこでもスキー普及の基礎を築き上げました。

レルヒ少佐は「長い一本杖を用いた反制動滑降とボーゲン」を伝えました。なお,1月12日は「スキーの日」として定められています。

まとめ

デモデーモ博士

戦争といった時代背景と,競技化したスキー理論という背景が混ざり合って,スキーというのは発展していったのじゃ!

パンサーくん

あれ,歴史って意外と面白い…?!

Part3「現代のスキー」では,スキーがいかにして現代の形に発展していったかをお伝えします。

[1] 日本スキーの発祥前史についての文献的研究, 中浦皓至, 北海道大学大学院教育学研究科紀要 84 85-106, 2001.
[2] スキー発達についての研究, 鈴木正, 一橋大学研究年報. 自然科学研究 9 31-66, 1967.
[3] 日本スキー教程, 山と渓谷社, 2018.

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