【指導員の試験対策】スキー競技の種目と組織

かつての昔から多くの議論がなされてきたスキー指導法ですが,今日では日本スキー教程がスキー指導の展開を発表しています。日本スキー教程によると,スキーのターン性能・スキーヤーの運動特性・自然/斜面/地形の特性・アルペンスキー競技規則等を考慮・実践していく指導法だとされています。

そこで,この記事では日本スキー教程[1]の指導法を簡単にまとめていきたいと思います。スキー指導に関する記事は,以下のページにまとめてあります。

デモデーモ博士

今回は, スキー競技の種目や協議会の分類を確認するぞい。

パンサーくん

まーた暗記。

デモデーモ博士

確かに暗記じゃ。しかし,ワールドカップなどでスキーを競技として観戦するときに知っておくと楽しい知識ばかりじゃぞ。

目次

競技種目

FIS(Fédération Internationale de Ski:国際スキー連盟)が公認するスキー競技会は,ICR(International Competition Rule)によって運営されます。SAJ(Ski Association of Japan)も基本的にはICRに従います。FISW杯の開催種目は,以下の通りです。

【アルペン競技種目】

  1. ダウンヒル(滑降)
  2. スーパーG(スーパー大回転)
  3. ジャイアントスラローム(大回転)
  4. スラローム(回転)
  5. アルペンコンバインド(アルペン複合)
  6. チームイベント(混合団体)

【ノルディック競技種目】

  1. クロスカントリー
    1. 個人ディスタンス種目(クロスカントリー複合)
    2. 個人スプリント種目
    3. リレー(団体)
    4. チームスプリント(団体スプリント)
  2. ジャンプ
    1. 個人ノーマルヒル/ラージヒル/フライングヒル
    2. 団体ノーマルヒル/ラージヒル/フライングヒル
    3. 混合団体
  3. ノルディックコンバインド
    1. 個人ノーマルヒル/ラージヒル
    2. 団体ノーマルヒル/ラージヒル
    3. 団体スプリント

【フリースタイル競技種目】

  1. モーグル
  2. エアリアル
  3. スキークロス
  4. ハーフパイプ
  5. スロープスタイル
  6. ビッグエア

【スノーボード競技種目】

  1. スノーボードアルペン(GS/SL/団体)
  2. スノーボードクロス
  3. ハーフパイプ
  4. スロープスタイル
  5. ビッグエア

ここでは,種目の理解の仕方・覚え方をお伝えしていきます。まずは,スキー競技が「スピードを競うアルペン」「長い板を履いた種目で競うノルディク」「タイムだけではなく多様な技術を競うフリースタイル」「スノーボード」に分けられることを理解します。次に,アルペンは「DH→SG→G→SL」の順に,求められる要素がスピードから技術にシフトしていくと理解しましょう。ダウンヒル(DH)は本当に(狂気じみた)競技で,スキー場をほぼ直滑降で滑り降ります。それに対して,SLは短いスキー板を履いて小さなリズムでポールを通過していきます。

アルペンコンバインドは,アルペンの「DH→SG→G→SL」のうち極端な「DH」と「SL」の二種目で競う混合競技です。チームイベントはその名の通り「団体戦」です。ノルディックには「クロスカントリー」と「ジャンプ」,それらを組み合わせた「ノルディックコンバインド」があることをおさえましょう。クロスカントリーでは,長距離を走る「ディスタンス種目」と周回コースを回る「スプリント種目」があります。ジャンプでは規模により「ノーマルヒル」「ラージヒル」「フライングヒル」があります。

フリースタイルは,ターン点・エア点・タイム点の合計点数を競う「モーグル」,空中演技を行う「エアリアル」,雪上の障害物競走でもある「スキークロス」,円筒の半分の形状をした地形で技の難易度や高さなどを競う「ハーフパイプ」,コースを滑りながらジャンプ台で技の難易度や独創性を競う「スロープスタイル」,大きなジャンプ一回で競う「ビッグエア」などがあります。スノーボードでは,アルペン・クロス・ハーフパイプ・スロープスタイル・ビッグエアなどスキーと同様の種目があります。

競技規則の構成

  1. ICR(国際競技基準)
  2. プレシジョン(新決定事項・指導要領)
  3. 競技用品規則
  4. ポイントルール
  5. その他関連する競技規則

協議会の分類

  1. OWG(オリンピック冬季大会)
  2. WSC(FIS世界スキー選手権)
  3. WJC(FISジュニア世界選手権大会)
  4. WC(FISワールドカップ)
  5. COC(FISコンチネンタルカップ)
  6. UVS(ユニバーシアード)
  7. YOG(ユースオリンピック冬季大会)
  8. FIS公認大会 他
  9. SAJ全日本スキー選手権(NC)
  10. SAJ公認大会(A級・B級)
  11. 国民体育大会冬季大会スキー競技会
  12. SAJマスターズ選手権
  • OWG:Olympic Winter Games
  • WSC:World Ski Championships
  • WJC:World Junior Championships
  • WC:World Cup
  • COC:COntinental Cup
  • UVS:UniVerSiade
  • YOG:Youth Olympic Games

コンチネンタルカップはFISの大会の一つ下のレベルの大会です。ユニバーシアードは学生のための大会です。

SAJ関連組織

ここからは,SAIに関連する世界各国の組織を確認していきます。

インタースキー・インターナショナル

インタースキー・インターナショナルは「ISIA」「IVSI」「IVSS」「各国スキー連盟」で構成されています。ISIAは「International Ski Instructors Association」の頭文字を取ったもので,「国際職業スキー教師連盟」とも訳されます。HPはこちらのリンクからご覧になれます。

IVSIは「Internationaler Verband der Schneesport-Instruktoren」というドイツ語の頭文字を取ったもので,「アマチュア指導者の国際組織」とも訳されます。HPはこちらのリンクからご覧になれます。IVSSは「Internationaler Verband fur Schneesport an Schulen und Hochschulen」というドイツ語の頭文字を取ったもので,「国際学校体育スキー連盟」とも訳されます。学校スキー指導者の国際組織です。

他にも「FIPS(Fédération Internationale des Patrouilles de Ski)」や「ASF(Asian Ski Federation)」があります。FIPSは「国際スキーパトロール連盟」と訳され,ASFは「アジアスキー連盟」と訳されます。FIPSはスキーパトロールとスキーの安全対策を統括する組織です。ASFは日本が事務局を担当する組織で,アジアアルペンスキー選手権大会などを開催しています。

まとめ

デモデーモ博士

今回は,スキー傷害とトレーニングについてお話ししたぞい。

パンサーくん

写真を見せられると生々しすぎて鳥肌が立つよー。

デモデーモ博士

ビデオ解析したグループも同じ思いじゃろう。研究が進んでいくおかげで我々も正しい予防法を身につけることができるのじゃ。研究者には感謝しなくてはならないぞい。

[1] 日本スキー教程, 山と渓谷社, 2018.
[2] スキーの科学とスノーボードの科学, 岡部, 2017.

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